2022|Tottori
「学生に希望を与えたい」という思いとは裏腹に、30年近く変わっていない場所を何とか変えたいという要望からお声がけいただきました。一番印象に残っていることは、これからの学校は「チャレンジができる、どこまでも自信をもって活動していいんだ」ということを示したいというクライアントの言葉。鳥取らしさが表現されたシンプルでスタイリッシュな憧れの場を作りたいという想いが溢れたプロジェクトでした。
これまで生協プロデュースの中で、「アエル(森)」や「マーレ(海)」、「セルリア(空)」など、自然を感じることができる名称のお店があることも教えていただきました。今回は店舗の名前だけでなく、そこでの働き方までもプロデュースしてほしいという要望があったため、空間演出とコンセプトを分かりやすく表現できるように計画し、誰もが自信を持って笑顔で働けるお店を作ろうと考えました。
鳥取大生協は一日2000人が利用する県内一の品数が揃っており、すでに集客は見込めていました。買いに来る人も、勉強をする人も、相談に来る人も、みんなが集まる場所です。
内装は、砂丘の砂のような質感と落ち着きがあり、自由自在に変更できる柔軟性と可変性を持った素材を選定しています。これから何者かになろうとしている学生を応援する場所であり、ブリッジを渡った先に位置するこの場所を「丘の頂上:Hill Peak / ヒルピーク」と名付け、設計を行いました。
砂も木にも可変的な要素があり、集い方も工夫次第で変更することができます。そんな自由な発想が許されることで、学生も気軽に訪れることができる場所を作ることができました。
リニューアル後、クライアントから「空間が変わったおかげでスタッフの働き方も変わった」「何か困っている学生を見つけやすくなり、待つ姿勢から聞く姿勢へと変わりました」「なにより皆が生き生きとしている」という声をいただき、それだけで全てが報われる瞬間でした。
場所|鳥取県鳥取市
用途|物販店舗
クライアント|鳥取大学生協
設計/監理|株式会社スタジオモブ
施工|株式会社土手工芸
撮影|exp 塩谷 淳
2022|Tottori