大きな笑顔が集う場所[後編]

23/06/23


大きな笑顔が集う場所[前編]
大きな笑顔が集う場所[中編]
大きな笑顔が集う場所[後編]



-改めて、空間づくりとしてのコンセプトを教えていただけますか?

中尾:「学生のための場所が少ない」というのが下関市立大学さんの課題にずっとなっていて、だから、集まる場所とか話をする場所など、いろんな場所をつくってあげたいというのが、まずありました。最初は、だだっ広い空間に対して「席数をたくさん確保してほしい」という要望もあったんですけど、席数を確保するだけだったら、食堂みたいにテーブルと椅子さえあれば事足ります。でもそうじゃなくて「議論する場所」「パソコン作業する場所」「みんなで話す場所」のように、いろんな場所を散りばめてあげるのが重要かなと。

生協ショップのリニューアルのときもそういった話をずっとしていたなかで、第1弾の談話室では「場所づくり」に特化できるということで「カウンター席」「ライブラリー席」というふうに、まずゾーニングからはじめました。

-将来的な計画も見据えた上でのゾーニングですか?

中尾:そうですね。生協ショップへの延長を想定した形での話からさせていただきました。今回、ひとつポイントになっているのが「植栽エリア」です。真ん中に植栽を入れることで「向こう」と「こっち」という空間の質感を分けるというか、全部同じものを入れると均質になって間延びしてしまうので、ゆるやかに分けています。そのなかに、いろんな席があっていろんな使い方ができるというのが、この場所のコンセプトですかね。

-学生さんの反応はどうでしたか?

小松さん:わぁ、すごい!っていう声がまず聞こえてきました。

浦杉さん:それが、実際に行動にも現れているなと思います。生協に関わる学生って夜遅くまでミーティングをしてたりするのですが、これまではショップの中で固まって、でも場所ない場所ないっていう感じで。

-この談話室はあったけど、使われていなかったということですか?

浦杉さん:場所はあったけど、使われてなかったですね。

-ああ、場所という認識がされていなかったというか、そういう場所という感覚がなかったのでしょうか。

浦杉さん:真剣な話をするにはちょっと…みたいな。

小松さん:前のレイアウトが、壁に向いた席だったというのもあるしね。「集まって何かできる」という雰囲気はとくにこの3年間はなかったように思います。

浦杉さん:その前も、どちらかというと「自習室」みたいな印象で。

山本さん:あー。確かに「自習室」ってイメージありましたね。あんまりしゃべってはいけないみたいな雰囲気があった印象です。

-今回のリニューアルに際して、この場所の名前が「談話室」から最終的に「LOOOT. Lounge(ロットラウンジ)」になったとお聞きしています。どんなメッセージが込められているんですか?

花尾さん:それは、優人(浦杉さん)が一番思い入れがあるんじゃない?

浦杉さん:LOOOT. ですか。学生と生協とそれから教職員と…。

花尾さん:え、その話?(笑)その名前は嫌だったんですって話じゃなくて?(笑)

浦杉さん:僕が本当は付けたかった名前がありまして…。

-え、なんですか、なんですか?(笑)

浦杉さん:入口にも書いてあるんですけど、僕は「Anyone(エニワン)」って名前がいいなと思ってて。

小松さん:もう、一日ずーっと語るんですよ。「Anyoneが絶対にいいんですよ!」って(笑)まずそれを話したら?(笑)

浦杉さん:「不特定多数の、みんな」っていう意味がいいなと思って。

小松さん:でもみんなに「Anytime」のパクリやん!って言われてね(笑)

浦杉さん:パクリじゃない、言うて(笑)

花尾さん:最終的には、候補の中から理事会で決めたんです。そのときに、Anyoneも2票ほどあったよね。

浦杉さん:理事長先生も入れてくださって。

花尾さん:なんだけど、「LOOOT.(ロット)」って言いやすかったり、そこにLOL(Laugh out loud、大きく笑う)の意味も込められていたり。Oが3つ(学生・生協・教職員)入ることでたくさんの笑顔に溢れますようにといった想いも含めて、これがいいんじゃないかという声が多かったですね。

浦杉さん:LOOOT. Loungeに決まってしまいました。

花尾さん:「決まってしまった」って(笑)

中尾:諦めてないんですね(笑)

浦杉さん:本音が漏れてしまいました…(笑)僕はAnyoneがよかったんですけど、でも、中尾さんがロゴの下にみんなの案をしっかり書いてくださったのが、僕としても救われて。

花尾さん:優人(浦杉さん)が一番「談話室」って言わないんですよ。「LOOOT. Lounge」ってちゃんと言うよね。それは、名前を定着させたいんだと思います。

浦杉さん:LOOOT.って言ってほしいんです。

中尾:そうですね、言ってほしいですね。

-うんうん。

中尾:名前を考えるときにみんなで会議をして、でも、時間もあまりなかったから一旦各自持ち帰って、3日後に改めて案だししましょうってことにしました。一度じっくり考えてみることがやっぱり大事で、それが決まる決まらないはまた別の話だけど、学生さんからも意味を添えて案が出たりとか、それはいいことだなと。なので、それまでのストーリーも残してあげたいなと、案をここに記しています。決まったらそれで終わりじゃなくて、その後も「これ、俺が考えたんよ」って言えたりとか、卒業してからもなつかしいなと思えたりっていううのが、大事ですよね。

 

編集後記
浦杉さんのまっすぐな人柄がとっても印象的なインタビューでした。その想いを温かく見守っていらっしゃる花尾さんと小松さんの姿に、みなさんが大切にされていることやチームワークの在り方、学生さんへの関わり方も垣間見ることができて、私もすっかりファンになりました。きかっけをつくってくださったCOFFEEBOY|山本さんとも、もっといろんな関わりができたらなぁ~と、次のプロジェクトも楽しみにしております!みなさん、ありがとうございました。