2023|Hiroshima
広島八丁堀に位置するビルの一角に、会員制・紹介制のバーを併設したエステサロンを計画した。エレベーターを上がって扉を開けた先に受付があり、エステ利用の案内が行われ、カウンセリングルームに案内される。その場所で、本日の希望する内容について施術方法、悩みなどをエステティシャンに要望を出すと、施術内容に合わせた部屋に案内される。
共用部分は、グレーを基調としたギャラリーのような空間として抽象的な空間としている。エステエリアでは、3種類の部屋が用意されている。柔らかく、明るくというテーマの中で柔らかさにつて、3つの要素を提示した。一つ目は、陰影による柔らかさ。従来漆喰という素材は、空気を清浄し光が美しく落ち着いた空間に用いられる素材である。また左官は空間自体を柔らかく包み込み清潔さを保つにはとても適している材料である。二つ目はファブリックによる柔らかさ。布に囲われた上品な空間では、光と影に包み込まれるような場所となり、物理的にも揺らぐ特別感が演出される。最後は、柔らかさの質は異なるが、木を用いた柔らかさである。木質空間はその素材の特徴から、どうしてもカジュアルになりがちである。しかし徹底的に同じ素材で囲われた空間はシンプルな空間となり、高級感が生まれる。
施術が終わると、一息つくためのカフェ&バースペースが用意。一体そのスペースはどこにあるのだろうか。一見するだけではその存在に気づくことは難しく、特別な人が特別に利用する場所としても利用されているし、サロンを利用した方のアフター利用、待ち時間の利用にも適している。
そんなすべてに特別感があって楽しみのある場所になると嬉しい。
場所|広島県広島市中区
用途|エステ・飲食店
クライアント|ジーピーエム株式会社
設計/監理|株式会社スタジオモブ
施工|中原建設株式会社
撮影|exp 塩谷 淳
2023|Hiroshima