ライナフ新社屋 

スマートロックを主軸とした不動産管理向けのシステムやアプリを開発し、今、急成長を遂げている株式会社ライナフは、生活様式が日々変化していく現代で、それらを支える場所の仕組みが変わらないことに課題を置き、もっと居心地の良い場所へと不動産を導くことを目指しているベンチャー企業です。

東京都・御茶ノ水駅から徒歩10分圏内の立地への本社移転プロジェクトに、設計者としてお声がけいただきました。今回依頼されたテーマは、ブランディングの観点からオフィスの在り方を考えてほしいということ。社会の変化に伴う新しい働き方を取り入れながらも、変革期を迎えた会社が目指すべき方向性を示せるような場所にしたい、社員全員がチームとなって次なるステージへ進んでいきたいということで、今回の計画では「理念としての建築」を軸にしています。

社名ライナフの由来は、Life×Enoughです。
新たなブランディングとしてロゴの変更とともに7つのEnoughを掲げ、それらを体現できる空間を設計するために、7つの意味をもつスペースをゾーニングすることからはじまりました。

① プロフェッショナル:不動産事業のオーナーシップであること、仕事のためのコンセントレーションエリア(個人ブースの必要性)
② リスペクト:すべての人に敬意を持つレセプションエリア(エントランス)
③ チームパフォーマンス:みんなは一つの目的の為にコミュニティエリア(リラックススペース)
④ 三方良し:売り手、買い手、社会の為の情報をスタジオエリア(スタンディング)
⑤ 情熱:本気の想いを伝えあうミーティングエリア(会議室)
⑥ 挑戦:新たな決断が事業を進めるデジタル・イノベーションエリア(ショールーム)
⑦ 価値の想像:探求を続ける場所(ハード開発デスク)

これら7つのスペースがロゴに内包されるようにコーポレートカラーである3つの要素「GREEN」「WHITE」「BLACK」でルールを設けて、オフィスの表情が明確に現れることを目指しました。


ロゴマークには、コーポレートカラーの他にも企業の信念が反映されています。常に前向きで、社員の心も業績も右肩上がりとなること。この意思を空間にも介在させられるように、部屋が切り替わる建具には、ロゴの勾配と同じ角度の木材(集成材)を仕上げ材として採用しています。その建具を天井高いっぱいの2.7mまでの引きの伸ばすことで、前向きな右肩上がりを常に意識できるようにしました。

空間とは、身体に馴染みそれが当たり前となっていくことが理想です。数年後も数十年後も、ただそこには会社の概念が浸透しているということ。誰がどのようにということは重要ではなく、そこにその会社らしいカタチが存在していることそのものが理念としての建築であり、美しいことだと考えています。

場所|東京都文京区湯島
用途|オフィス
クライアント|株式会社ライナフ
設計/監理|株式会社スタジオモブ
施工|株式会社セットアップ
撮影|exp 塩谷淳

2021年|Tokyo