La Vie en Rose 周南店 vol.2

山口県の商業施設内で洋服や雑貨・宝石を扱う店舗内装プロジェクト。今回は、既存店舗のリニューアルに加え、新事業に向けた規模の拡張も要望されていた。

多様な商品カテゴリーの他、カフェ・イベントスペース・サロンなどすでに多くのプログラムが混在する計画のなかで、今後も複数のプログラムが追加されていくことが想定されたため、変化に対して柔軟に対応できる必要があった。それらを一つの空間にまとめる方法として「固定的な要素」と「可変的なモノ」の組み合わせが必要だと考え、固定要素としては、建築の基礎による構成を提案した。基礎はどんな建築が建ちあがるのかまだ分からない状態に魅力があると感じている。

その上の架構が変化を許容するものとして、ハンガーの商品を吊るすフレームや小屋組みを鉄骨造の建築として計画した。

この場所は建築としては架構の状態(未完)にあり、ゆるく開放的にゾーニングが行われている。商品を入れるまで、店舗としては非常にストイックな状態となっている。しかし、建築に人が住みはじめると空間が彩るように、この未完成の状態の中に、商品を置きはじめると非常に表情豊かな空間が生まれ、商品自体が引き立つことを実感した。

時間が過去から現在、未来につながっていくように、その場所に置かれる新しい商品によって空間と商品が相対的に連続し、未来につながっていくような店舗になることを想像している。

場所|山口県周南市
用途|物販店舗
クライアント|株式会社ローズ
設計/監理|株式会社スタジオモブ
施工|株式会社土手工芸
撮影|exp 塩谷 淳

2021|Yamaguchi