2024|Fukuoka
「誰かにあげたいギフトが見つかるギャラリー」をコンセプトに、新しくお店づくりをはじめられるクライアントさんの思いを受けて、糸島市の海岸沿いから少しだけ奥まった立地にある200㎡近い倉庫をギャラリーショップへとコンバージョンするプロジェクト。
外壁も屋根も波板や折半でつくられていた既存建物に対して、いかに最小限の手数で最大限の新たな空間性を付与できるか。
ここでは、透明ポリカの波板をキーマテリアルとして採用し、外壁の波板要素を延長しつつも空間全体の領域をゆるやかに分断する什器を設計することにしました。同じルールで統一された波板という要素は、海と近接するこの場所のデザインコードにもなっています。
だだっ広い倉庫の中にぼんやりと透けた向こう側というフィルターをつくることで、気配は感じるけれど、ショップやギャラリー、カフェなどの用途を隔てる壁としてもやわらかく機能しています。
空間をつくるためには、必ずしも床・壁・天井を仕上げる必要はありません。塗装された既存の鉄骨フレームが見えない領域を生み出し、光を透過しながらも建築的に構成された連続する什器ユニットは、来訪者の動線を奥へ奥へと促して場をつくりだしていくのではないでしょうか。
見る場所や角度によって切り取られ方が変化し、あらゆる場面を許容する什器構成と大きなカウンターがあることで、多様な使われ方に柔軟に適応しながらも、訪れるたびに発見のあるギフト選びに寄り添う空間が完成しました。
用途|ギャラリーショップ
設計者|株式会社スタジオモブ
施工者|国武建設
給排水工事|稗田設備工業
照明|株式会社遠藤照明
床面積|196㎡(59.29坪)
撮影|exp 塩谷淳
2024|Fukuoka