表参道のエルムの木に集う公園のような場所
エルムクリニック神戸院につづ第2段プロジェクトは、指名コンペにより選定いただいた。こちらも神戸院と同様に、エルムのコンセプトづくりから空間設計、そして家具セレクトまで行っている。
敷地は、東京都港区南青山に位置するセーヌアキラ2階。骨董通りから表参道方面に1本入った裏通りの角地に立地している。裏通りとはいえ、骨董通りブロックで最もファッショナブルなエリアに位置しているため表参道駅からの人通りも多い。
表参道ストリートの延長線に店内入口へとつづく階段が設けられ、一直線のアプローチが印象的である。街を行き交う人々を誘うようにこの場所が「エルムの木に集う公園」のような憩いの場になることを想像して設計を行った。
ここでは誰でも気軽に相談できるように、忙しくて時間を取れない人がカウンセリングだけ受けれるようなスペース、美容に興味関心を持った人が知識を学べるスペース、美容点滴を公園のカフェにいるような感覚で受けられるスペースを設けるために「受付」という場所の意味性を広げて仕切りのない空間を設計した。受付からの回遊性を高める計画は、必要機能をもつ部屋を周囲にまとめ、表参道院のテーマカラーであるグリーンを視線が止まる場所や少し滞在する場所、開かれた機能の場所に定着させた。
通常よりも低い天井と構造設備上の兼ね合いを解消するために既存天井をそのまま利用し、その低さをブラックアウトさせることによって高さに関する視覚的な情報を軽減。結果として、人が滞在する場所にはテーマカラーが点在し、公園らしく自分のお気に入りのスペースを探すような風景が生まれた。
美容皮膚科に対するハードルを下げたいというクライアントの想いが、これからカタチとして躍進していくことを願っている。
場所|東京都港区南青山
用途|美容クリニック
クライアント|医療法人ELM
設計・監理|株式会社スタジオモブ
施工|株式会社土手工芸
撮影|exp 塩谷 淳