名古屋ドームにおける陶器市のブースデザイン。
「木々に集まる小鳥のように」
名古屋ドームで開催された数日間だけの陶器市において、ブースデザインとサインの提案を行いました。木々に寄り添う小鳥たちのように、僕たちは限りなくシンプルな方法によって仮想としての木々を計画しました。数日間という限られた期間の中で、そこに展示される器や小物を想像したとき、そのモノ自体が際立ち、目を引く方法を考える必要があると感じました。そこで、大工さんが現場で簡易的に制作する合板のみで構成されたテーブルのシステムに可能性を見出しました。
簡易に合板で組まれたテーブルを積層し、木々が力強い幹、空に伸びていく枝葉を暗示するようなブースとなり、そこにたたずむ器や小物の為の住処を設計することにしました。限りなく簡易で、短時間でくみ上げられるブースであるが、これは小さな建築的な視点をもったシステムを生み出しているものだと考えます。私たちは建築という大きなものから、家具やプロダクトという小さなものまでを等価に扱い、その環境にあるモノの為の心地よさを提案したい、その可能性のひとつを示すプロジェクトとなりました。