世界を変える美しい本 

19/11/05

Tara Books タラブックス|三菱地所アルティアムより

1994年、南インドのチェンナイで設立。代表のギータ・ウォルフとV.ギータを中心に、出版や教育などにかかわる活動をおこなう。社会的な視点が、出版物にも会社運営全体にも反映されており、企業としてのありかたにも注目が集まっている。日本国内においてもタラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる玄光社 2017年刊が出版されるなど、ファンを広げている。

 

前回の記事で登場していた「太陽の神さま」と名付けたイラスト。

とても魅力的だったイラストは、三菱地所アルティアム(福岡)で開催されていたインドの出版社・タラブックスの特別展示作品です。2017年より全国巡回していましたが、先日福岡にて閉幕いたしました。

タイトルのとおり装丁がとても美しく、手すきの紙にシルクスクリーン印刷、手作業で製本した絵本は全ての工程が丁寧。観るものの心を打つ素晴らしい作品でした。すごくキレイだったのでご紹介いたします。日本でも和訳で販売している絵本がありますので、書店で見かけた方はぜひ手にしてご覧くださいね。

 

水の生きもの(邦題) ランバロス・ジャー 著 市川恵里 訳

 

一冊の絵本が完成されるまでに様々な工程があるのですが、各工程に専門の職人さんがいらっしゃって、淡々と仕事をこなしていく姿は見ていてとても清らかでした。「良い仕事をする」ということだけを信条に紙をよみ色をよみリズムよく印刷を重ねていくというとてもシンプルなことなんだろうけれど、それを自分の仕事に置き換えてみたとき、ちゃんとできているかな?と立ち止まって考えました。できてるかな。

「すべてのみえるものは、みえないものにさわっている。きこえるものは、きこえないものにさわっている。感じられるものは感じられないものにさわっている。おそらく、考えられるものは、考えられないものにさわっているだろう」

最近みつけた、染色家の志村ふくみさんの言葉です。とっても素敵。

ほんとうのことはきっと見えたり聞こえたりはしないのだろうと、志村さんもインドの職人さんも何かを生み出す手を持っている人には見えている(見たい)世界があるのかもしれません。その世界をちょっとでも感じられるようになりたいな。そのためにも日々勉強。色々な分野で活躍されている美しい人や作品、世界にこれからも出会っていきたいです。