あたらしい風 

20/06/23

2020年4月より、新スタッフとして白坂奈緒子さんが仲間入りしました。
昨年のインターンを経ての正式な参画です。彼女の脳内も面白く、わたしたちも日々刺激を受けています。

自己紹介を兼ねて、いろいろと語ってくれたときのテキストをそのままご紹介。
「ことばがすきです」という、彼女の文章ひとつひとつに世界観が感じられ、+MOVEにも新しい風歌がきこえてきそうな、いい予感です。

文:白坂奈緒子

○フォントの話
 知り合いのタイポグラファの方にオススメの本をお伺いしました。
 「欧文書体百花事典」がオススメとのことで共有しました。やはり歴史とセットで勉強するのが良いみたいです◎

○好きなものについて
 まず、好きという感覚が不思議なものに感じています。これが好き、これが良い、と思ってもなんで?って聞かれるとパッと答えられない本能的な感覚の理由を解明していきたいと思っています。
自分の好きを知ることでデザインの幅も広がるんじゃないかなぁとぼんやり思っています。卒制もこういう感覚の部分が大きなテーマとしてありました。

○スポーツ
 私は体を動かすことが好きです。バスケと陸上をやってきました。この3週間くらいモブで働いていて思うことは設計って陸上っぽいなぁということです。陸上のタイムを縮めるにはたくさん練習が必要です。2、3日やったからといってすぐに力がつくわけではありません。どの世界にも言えることかもしれないけど、走っても走ってもなかなか思うように走れないあのもどかしさが今感じている感覚に一番近いなと思います。そういう部分でもスポーツが好きなように建築も好きなのかなぁと分析したりしています。

○音楽
 この前たまたまレコードショップに立ち寄ることがありました。今は簡単に音楽を手にすることができるけど、レコードの音源を聞いたことがないし、聞いてみたいなと思いました。
いろんな音楽に支えられて作業することが多いので音楽の歴史もこれから少しずつ学んでいきたいなと思ってます。

○映画
 松居大悟監督が好きです。松居さんの「君が君で君だ」という映画が私にとっていちばんの衝撃作です。愛についてとても考える作品です。中々狂気的な内容だけど共感できる部分もあって人間らしさみたいなものを突きつけられるような感覚でした。松居さんの作品をまだ制覇してないのでみていきたいです。

○ダンス
 私たちは表現の最終形態としてモノが出来上がっていくけどダンスは最後まで自分の体だけです。その表現が私にとっては新鮮で刺激的でいつも感動します。ダンサーさんといつか仕事をしてみたい。とか思ったりしています。

○絵
 卒制でドローイングをやるにあたっていろんな絵を見るようになりました。昨年、バスキア展をみに行った時に彼の作品にとても勇気をもらいました。
たくさんの人が彼の作品を見にきているという場を体験して、こんなにもたくさんの人の目に自分の作品が映ることはとても幸せなことだなぁと羨ましくも思えました。そして、彼の作品のパワーが押し寄せてくる感覚は忘れられません。バスキアの短い生涯で残した作品たちは彼自身今ここにいきている!というエネルギーが、今のこの瞬間にある魂を作品にドッと詰め込んだようなパワーがすごく感じられて私も情熱を注ぎ切りたいと思いました。11月頃の出来事なのでこの展覧会が卒制のラストスパートを後押ししてくれました。

私には好きなものがたくさんあります。この他にもまだまだあります。好きなものを好きと言えることがとても幸せだなぁと感じます。この「好き」の感覚が軽くふわふわと飛んでいかないように好きの理由をこれからも探っていきたいと思います。