© kenji mizuno
「やっぱり料理は、美味しさで幸せにしなきゃです」
先日、広島事務所で開催した+MOVE RESTAURANT の後に、水野シェフから届いた言葉。前日準備から当日まで、共有した時間は短かったけれど、会話と佇まいから垣間見える水野シェフの思いやストイックな料理人魂に触れ、 ”Pinox system” の真ん中にあるものは「料理の美味しさで幸せを届けたい」というシンプルなことなんだなーと感じたのでした。
今回の+MOVE RESTAURANTは、
福岡糸島のフレンチレストラン〈pinox〉水野シェフ からプロジェクトのご相談をいただいたことからはじまりました。 Pinox system そのものが、まだスタートしたばかり。だけど、初回打合せから話がトントントンと、トントン拍子に弾んで、タイミングも相まって、広島で試作を兼ねたイベントになりました。
スタジオモブ独立当初から「事務所の在り方」について模索してきた彼らにとっても、これまでぼんやり考えていたことがまた一つカタチになりそうな予感。
建築設計という仕事をみなさまに知っていただくためには、完成した空間や建築を見ていただくだけでなく、その過程やそれぞれの仕事に対してどのように向き合っているのか、そういった日常の振る舞いをみていただくこと、実は何よりも大切なことなのでは…と、イベント準備の最中そんな話を。
前置きが長くなってしまいました。。(スミマセン)
まずは、この ”Pinox system” からご紹介いたします。
「空間と小さなキッチンさえあればどこでも誰でもレストランを開ける」 というコンセプトで開発され、 真空パック保存の食材を当日指定の場所へお届けするため、
・料理人不要
・仕込みなし
・本格的な料理の提供が可能
・食品ロスなし
・家庭用ハイクラスの機材で提供可能
今回は、IHコンロ&温め用の鍋だけで行いました。
テーマは「設計事務所×レストラン」
さっそく、事務所の装いからレストランへ模様替え。
私がいつも使っているデスクがキッチンとしてピタリとハマり、この日のために設計したとしか思えないグッドデザインです(笑)
事前に調理された食材と合せて、香辛料やソース、香草、ピクルスなどもパックで到着。盛り付けをご指導いただきながら素敵な一皿へ変化していく様は想像以上に楽しく、お手本そっちのけでついつい個性が溢れ出ます。そして誰よりも楽しんでいたのは、まちがいなく中尾シェフ(笑)
会場も整ってきたところで、BGMをセットしてゲストの到着を待ちます。
料理に合わせたワインは、 こだわりの国産酒のみ仕入れられている広島の「酒商山田」さんにセレクトいただきました。 前を通るたびに気になっていたので、ここで買いたいなぁと入店すると、気さくに丁寧に接客してださったのが店主の山田さんでした。今回のイベント趣旨を説明して料理のメニューを見ていただき、予算内でオススメを選んでいただきました。宇品港にある本店は倉庫も兼ねられているそうで、店頭には並んでないお宝に出会えるかも⁉とのこと。事務所からも路面電車のぶらり旅もできますので(せっかくなので海沿いにあるアクタス広島店にもぜひ!)みなさまも行かれてみてください。
さて、今回のメニューはこちら。
ぜーんぶ美味しそうだから、ゲストを羨ましがる私たち。
猪パテ 自家製ピクルス添え
一貴山豚バラのロースト
アラの真空調理イカスミトマトソース
ソーセージ2種
牡蠣とブイヤベースのパスタ
猪のミートソースパスタ
小麦粉不使用のチョコレートケーキ
”Pinox system” プロジェクトもまだまだスタートしたばかり。
「畑の真ん中の掘っ立て小屋で農作業を見ながら野菜料理を食べるレストラン」とか、「星空レストラン」「世界を旅するレストラン」とかとか。妄想広がるばかりです。
現代だからこそ実現できる新しいレストランの在り方、未来のレストランの在り方を、夢を膨らませながらアイディアと手を動かして、私たち自身が楽しみながら展開していけたらと思います。みなさまも、どうぞお楽しみに。
bon appétit ~!