街にも海にも山にも近い福岡市の「今宿エリア」で中古物件を購入され、リノベーションをされた北川さん。実は、スタジオモブとしても2件目となる物件の新たな住まい手さんということで、どんな素敵な方がやってこられたのかなとわくわくしながらインタビューに伺いました。
-この物件とは、どうやって出会われたのですか?
北川さん:たまたま見ていたインスタに流れてきたのがR不動産が投稿していたこの物件で。それを見て、あ、ここだ!と思って内覧に来たのがきっかけです。
-リノベできる物件を探されていたのですか?
北川さん:いや実は、ちょっと前に友人が家を建てたということで遊びに行ってて。その時に、もし家を建てるならどこがいいかみたいな話で盛り上がって、「山も海もあるところがいいな~」「それだったら今津(福岡市西区)か今宿(福岡市西区)がいいよ!」と勧めてくれていたんです。それもあって、R不動産から流れてきたこの物件が「今宿」だったから、これは行かなきゃと。
-タイミングよく、流れてきたんですね。
北川さん:彼も僕も、愛媛県の宇和島市の出身で大学のころからの付き合いなんですが、その彼が「今津と今宿がいい!」というなら間違いないだろうと。インスタを見たのが2022年7月くらいだったと思うのですが、それから内覧して、9月には契約していました(笑)
-即決めだったんですね(笑)
北川さん:物件の内覧に来たときに、この物件の管理をされている鎌苅さんも来られてて。
―あ、前回、モブでリノベーションをさせていただいた鎌苅さんですか?
北川さん:そうですそうです。鎌苅さんも一緒にR不動産の方と3人で内覧するという(笑)鎌苅さんはすでにリノベ経験者だったから「あ、この壁は抜けますね」「ここはこうするといいですよ」って、色々アドバイスくださって。その場で盛り上がってほぼほぼ購入を決めちゃってましたね(笑)で、鎌苅さんから「いい建築家さんいますよ」と中尾さんを紹介していただいて。
―鎌苅さんからのご紹介だったとは…。ありがとうございます!
スタジオモブ中尾:現場の打合せも、鎌苅家でやってましたね(笑)この2階のキッチンも、3人で現調していたときに「この壁は抜いてしまった方が絶対にいい」って盛り上がって、でも完全に僕たち男のロマンで進めてたから、奥さまにテレビ電話でつないでプレゼンして(笑)
基本的に間取りは変わってないんだけど、キッチンの壁がなくなったことで印象がガラっと変わったと思います。明るくなりましたよね。
-光と風が抜けて、気持ちがいいです。プラン自体はどういう風に進めていったのですか?
中尾:空間づくりとしてはキッチンを中心に据えてそれぞれに居場所をつくっていった感じなんですが、鎌苅さんの時と同じで、初回打合せのときに北川さんからプレゼンしていただきましたよね(笑)
北川さん:はい、そのスタイルも鎌苅さんから受け継ぎました(笑)
―そのときは、どんなプレゼンを?
北川さん:家族構成とか、僕たちの自己紹介からはじまってすきな色のトーンなど。具体的な要望は奥さんがメインだったんですけど、僕からは一つだけ「懸垂バーをつけてほしい」というお願いを(笑)
―懸垂バーですか(笑)
北川さん:はい(笑)最後の最後まで検討していたんですけど、でも結局、減額項目に入ってしまったのと、天井が高くないと懸垂ってできないから、それだったら裏山でやったらいいじゃんってことで、家の中には作らないことで落ち着きました。
あと、子どもがまだ小さいので安全面での視点から階段の手すりの壁に穴を空けていただきました。階段を登るときに顔が見えるようにということなんですけど、きっと、ここから覗きたくなるだろうなと思って。
―たしかに、ここから顔出したら、可愛いでしょうね。
中尾:もともとこの階段も鉄骨で作る予定を予算の兼ね合いで木に変更したのですが、結果的にそのおかげで穴を空けることができたから、よかったですよね。
北川さん:キッチンの壁に書いてあった「五〇〇」というサインも結構すきで。たぶん、ここをつくった職人さんが書かれたんだと思いますが、達筆でかっこいいんですよ。
中尾:墨出しのときのサインなのかなと、かっこいいですよね。
北川さん:担当してくださった施工者さんも家づくりを楽しんでくださってて、トイレから鉄骨が出てきたときも「北川さん、これかっこいいから残しませんか?」って提案くださって。ちょうど、飾り棚にもなりそうだし僕もいいなと。
中尾:ふつうだったら塞ぐ部分なんですけど、それも「良さ」として活かしてくださる北川さんもいいですよね。リノベって、実際に解体してみないと分からない部分もあるから、そういうのもプラスに捉えて楽しんでいただけると僕たちとしても嬉しいです。
―さきほど、仕事部屋の床に隠し扉(?)があるとおっしゃっていましたが、あの扉も工事中に発見されたのですか?
中尾:あれは、図面の段階で地下にピットがあると分かっていたので、ここを部屋にしたらどうですか?と僕たちから提案させていただきました。
―もともと何かの部屋なんですか?
中尾:ちょうとここが傾斜地の上に位置してるからキャンチレバーの構造になってて、そこが空間になってるって感じですね。
北川さん:ただ今回は、そこまでの改修ができなくて。いつか秘密部屋をつくりたいですね。
中尾:はしごを下ろしたいですね(笑)
―おもしろそう!秘密の扉からつながっているというのが、また夢広がります。
―鎌苅さんにインタビューさせていただいたときに「子育て世代が増えるといいな」とおっしゃっていたことが印象に残っているのですが、北川さんご家族が来られたことで新しいコミュニティが生まれていきそうですね。
北川さん:そうですね。ちょうど、世代交代のタイミングだと思いますし、たぶんこの物件に住みたいと思う方は自然やコミュニティづくりを一緒に楽しんでくださると思います。また空き物件が出たときは鎌苅さんにつないでいただいて、我が家もモデルルームとして見ていただいて、モブさんにつなぎます(笑)
中尾:ありがとうございます。いつか、全棟リノベができたら嬉しいです(笑)
編集後記
今は、IT関係のお仕事をされているということで発想の柔軟さはそこからやってきているだな~と思っていたら、実は、元自衛隊として活動されていたとのこと。懸垂バーをつくりたいとおっしゃっていたのは、そういうことだったのか!とインタビュー後に謎が解けました。終始笑顔でお話していただいた北川さんの新しい暮らしと、これからどんなコミュニティが生まれていくのか楽しみです。3棟目のご依頼も、モブ一同心よりお待ちしております(笑)