国際文化会館は、1952年(1955年 竣工)に日本と世界の人々との間の文化交流を通じて国際相互理解の増進をはかることを目的に設立された建築です。当時の日本は戦後復興の真っ只中。経済的な発展が急務の中、営利的なつながり以上に、文化交流をとおして世界とつながっていくことの大切さを唱え、ロックフェラー財団の支援の下に進められました。設計は、前川國男、坂倉準三、吉村順三による共同設計です。
「美しい椅子2 にっぽんオリジナルのデザイン力」にも紹介されているこの建築に、一度触れてみたくて、ちょっと贅沢して宿泊しちゃいました。
よかった。とてもよかった。すべてが丁寧。そのひと言に尽きます。
1950年代というのは、建築もさることながら家具や工芸のデザインにも力を入れていた時代。
デザイン史を追うと、水之江忠臣、長大作、剣持勇、柳宗理、河井寛次郎、魯山人・・・と、つながっていくから、またおもしろい。館内は外国からの来賓をもてなすためのしつらえですが、スケールは日本的で、でも昭和の匂いは全くしない。建具も家具も、空間に対する敬意というか丁寧さを随所に感じられて、深いところで湧き上がる静かな感動がありました。
図書室も併設されており、日本文化を伝えるべく英語に訳された書籍がずらり。
日本語書籍は出版年月日が古いものが多く、資料として保管されているため書店に置いていないものもちらほら。ここに読みたい本がある気がする。ご近所だったら通いつめたい…。ちなみに、会員さんであれば貸し出しも可能だそうです。
久々に建築を堪能して大満足。
いくつか巡ったので、少しずつ更新していこうと思っています。どうぞ、お楽しみに。