ここはまるで、樹木に鳥が自らの生活領域を獲得する為に巣をつくり羽を休めるように、人々が細長く樹木のように伸びる、雑居ビルの中に木質のユニット(巣)により働く場所、休憩する居場所を選択できるような樹木のような建築です。
多様な働き方をする人々が時に、大人数での会議、個人での作業スペース、時に仮眠ができるなど、状況に合わせて巣を選択することができます。
働き方が多様になってきたからこそ、その多様さ、豊かさを樹木のような安心感のある新たな社会に呼応したオフィスとなることを想像しています。
近年、IT機器を駆使してオフィスだけでなく様々な場所で仕事をする新しいワークスタイルを指す言葉として定着しました。このような働き方をノマドワーキング、こうした働き方をする人をノマドワーカーなどと呼びます。
ノマドワーカーに見られる働き方を含め、近頃は電源やWi-Fiを求めて探しまわる人々が急増し、職場でも家でもない、もうひとつの居場所の在り方が問われています。サードプレイスと言われるカフェや喫茶店のような少し休憩する場所としてではなく、軽く打合せする場所や、打合せ前の資料を整える時間、出張中の打合せの空き時間、気分を変えて働くことができるような場所、働くという軸の延長となる居場所として「セカンドオフィス」について考えたいと思います。