3グループによる成果発表と刺激的なシンポジウムを拝聴し、街中へ繰りだすふたり。
目にする風景にもまた感じるところがあったようです。
その夜は、五十嵐さんと永く熱く語らう。夜中に届いた写真はこれだったのね。紅色料理の正体は「ザリガニ」だと判明しました。そしてカエルを食す…(!)
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① 南京の街
② 朝はモーニングからはじまる
③ 成果発表会
④ 五十嵐淳さんと、建酒談話
⑤ 水攻め
⑥ 弾丸建築ツアー
⑦ チリの建築家と磯崎新さん
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ここで一旦、会場を抜け仕事に戻りつつ、南京という街を体感してみるということで歩き回ってみた。
一つのエリアにスラム街のような場所があり潜入してみる。高温多湿で臭気がすごいが、やはりスラムの生活を見てみると面白い発見もまたある。道路には電線に洗濯物が干されていたり、廃墟のような場所が生活の場であったり、入るのに少し勇気がいる薄暗い場所、働く気がないような店らしき場所で爆睡している一家。生活レベルの水準が異なるだけであり、彼らにとっては普通に生きることができる環境であり日常と聞く。南京という場所での階層社会も明確にあることがわかった。ふだん、僕たちの生活が豊かなのは間違いなく豊かであると実感するのだが、彼らの生活の在り方や、どういう考え方を持って生きているのか興味が沸く。数十年前に訪れた上海周辺に近い感覚を覚えた。
その夜シンポジウムの後の懇親会に参加。
改めて五十嵐さんにご挨拶させていただき、今回のシンポジウムや南京での3週間の生活について伺った。やはり純粋に、言葉や文化の異なる場所では、感じるものについて、伝わっていないと実感されたようで、ある種の寛容さが日本とは異なる部分でもあると。一緒に酒と建築談義を交わさせていただく中で、多くの学びがあり、想像以上に優しく紳士的で魅力的な建築家でした。
「君たちはまだまだ若い。これからどのような方向性を目指すのか、ゴールはどこなのか、成功とは何か。ということを決めて動いたらいいと思う」
五十嵐さんはそれを決めてこず、だからこその助言とだとおっしゃっていたが、そこに悔いがあるようにも思えなかった。建築界に刺激を注入し、冷静に建築を観測し、建築家を批評し、建築にできること、できないこと、それらを同世代の有名建築家との凄みある議論ができる環境がうらやましくも思えた。昔からの付き合い、出会いの話など、一生お酒飲めるんじゃないかと思うくらい、すごく楽しかった。
僕らもそのままでいいんじゃないか、でも変化することも許容していきたいと、相方と語らって熱い夜を終える。
つづく。