このプロジェクトは特に誰かから依頼されたわけではないのですが、京都の設計事務所(OHArchitecture)とマンションリノベのあり方について議論していく中で、それらの妄想を具現化したようなプロジェクトです。
僕たちの仕事は、基本的にはクライアントがいて、そのクライアントのライフスタイルや要望に合わせて設計していくのが一般的です。ここでは、その順序を少し入れ替え、ライフスタイルや空間のイメージから作成し、クライアントに対して、新しい住まい方の可能性を提案したり、そういった思考や考えに共感頂けるクライアントを探すといった、いわゆる建売り的な考え方をプロジェクト化しています。
例えば、これらの提案を実際に住まわれる方々だけではなく、ディベロッパーさんやオーナーさん、工務店さんにも提案してゆくことで、「B to C」から「B to B」としての仕事の仕方という可能性も考えられます。僕たちにできることは、考えることと、図面を描くこと、CGや模型をつくりイメージを伝えること。出来る事は限りなくシンプルで、自分たちだけでは現実につくりだすことはできません。だからこそ、チームとしてお互いに持てる力を精一杯はきだして、建築や空間をつくりだすことに魅力を感じます。
このプロジェクトはそういった事への小さな一歩ですが、あらゆる働き方、仕事の手法を模索しながら、今後も勝手にプロジェクトを生み出してゆければと思います。