「小さな縁側商店街」
かつて、「商店街」という場所には、アーケードを入ると人々の活動が一気に凝縮されたような、売り手と買い手のエネルギーが溢れんばかりの様子がイメージされていました。一方で、近年の商店街にはそういったエネルギーが衰え、シャッター街とまで言われるように、大きな通りに面しているにも関わらず、お店を閉める店舗が増えてきているのが実状です。
私たちは、この通りに面した商店を、小屋単位で新しい軸線と共に挿入していく計画を提案します。この挿入されたいくつかの商店は伝統的な飫肥杉を使用し、床を少し跳ね出したような形状で、それぞれの店舗に縁側空間を付加します。子供も大人もおじいちゃんもおばあちゃんも、どなたでも親しみのある縁側という空間に対して、賑わいを創出している商店街という場所性を掛け合わせた新たな交流施設となることを目指します。
多世代交流の場として、この縁側商店街の連続が、新しい風景をつくり、既存建物にも必要最低限の解体と、ユニット化されたつくり方によって、経済性や納期の短縮を図り、今後の油津地区の活性化に寄与する事を目標とします。
場所|宮崎県日南市油津
用途|複合施設・リノベーション
構造|S造
意匠|OHArchitecture + STUDIO MOVE
構造・環境|ARUP
※多世代交流モール整備工事設計競技|佳作