福岡県北九州市の住宅街に建つ戸建てのリノベーションプロジェクト。
建築家の宮脇壇氏によって手がけられたニュータウンのひとつで、区画整地により奥行きの大きい街区がつくられ、前面の道路以外には隣地が建ち並ぶような立地です。そのような場所において、プライバシーと静寂を確保するにはどこか閉じた計画となり、室内において生活が完結する事が少なくありません。
私たちは開放的で静寂なライフスタイルを獲得する方法として、1階の壁を開放し、そのまま敷地境界に沿って新たな外壁(塀)を設ける事を提案しました。そうすることで、もともと内部と外部を切り離していた境界は建具へと置き換わり、認識としての内部空間は敷地いっぱいまで拡張する事が可能となりました。そこでは住宅機能としての静寂とプライバシーを同時に獲得する事ができ、閉じつつも開かれた新たな環境が生まれる事を想像しました。この新たに生まれた中間領域としての庭を室内まで延長させ、外と内に明確に分かれていた境界という存在をゆるやかな状態まで落とし込む事により、従来の玄関がテラスとなり、快適な環境へと生まれ変わりながらも、元の姿が残る愛着ある住宅へとなっていくことを望んでいます。
場所|北九州市若松区青葉台
用途|戸建て住宅のリノベーション
構造|軽量鉄骨造
規模|1F:81.25m2/2F:81.25m2
設計/監理|STUDIO MOVE
照明計画|モデュレックス
施工|ワンプランニング
金物|カモクラフト
カーテン制作|anbaba
撮影|exp 塩谷 淳
-English-
It’s a renovation of local house located in the Kitakyushu district, Fukuoka prefecture in Japan. The master planning of the area is made by the architect Mayumi Miyawaki and each plot has an important depth from the street. Most of the answer to this planning is introverted. The solution to provide a quiet atmosphere and to maximize the openness of the house is to install a wall along the site’s edge. This method create lightness on the ground floor: the GL façade become non-structural window frames that blurry the exterior and the interior. The extension of the living room is the garden-terrace on a smooth gradational transition.
Location: Kitakyushu Wakamatsu-ku Aobadai
Project Type: House Renovation
Structure:Metal Framework
Total Area: 1F:81.25m2/2F:81.25m2
Project Team: STUDIO MOVE
Lighting: Modulex
Contractor: One Planning
Metal Work: Kamo Craft
Curtain Production: anbaba
Photos: exp Atsushi Shiotani